この記事は多くのドラマーにとっての“バイブル”とされる教則本『スティックコントロール(Stick Control)』をご紹介します。
『オール・アメリカン・ドラマー』や『シンコペーション・ブック』と並び称される名著であり、1935年に打楽器奏者ジョージ・ローレンス・ストーンによって初版が刊行されました。
発刊から90年近く経った今も、世界中のドラマーが愛用しているロングセラーです。


スティックコントロールの特徴とは?
『スティックコントロール』の最大の特徴は、スティッキング(手順)の豊富さ。
そのバリエーションはなんと約867種類にものぼります。
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とはいえ、1つのフレーズはたった2小節で完結するものが多く、短時間でも気軽に取り組めるのが魅力。ドラムセットへの応用もしやすく、初級者からプロまで幅広く活用しています。
殆どのエクササイズが左右の手を均等に鍛えるよう設計されている点も見逃せません。
エクササイズ一覧
本書に収録されているエクササイズです。(数字はページ番号)
- 5–7:シングルビート・コンビネーション
- 8–9:8分3連のパターン
- 10–12:ショート・コンビネーション
- 13:ショート・コンビネーションの復習(4小節)
- 14–15:ショート・ロール&トリプレッツ
- 16–23:フラムビーツ
- 24–27:6/8でのショート・ロール
- 28–29:6/8での復習(4小節)
- 30–33:3/4・2/4コンビネーション
- 34–37:フラム・トリプレッツ&付点音符
- 38–43:ショート・ロール・プログレッション
- 44–46:トリプレットでのショート・ロール・プログレッション(4小節)
エクササイズのバリエーション
見た目は薄く、ページ数はわずか46ページですが、その中身は非常に濃密です。
- シングルストロークの多様なコンビネーション
- 三連符を含むフレーズ
- フラム(Flam)コンビネーション
- ショートロール・コンビネーション
- 4/4、3/8、6/8などの拍子別練習
- 5連符、7連符、10連符、14連符の練習
ラフやドラッグのようなルーディメンツは登場しませんが、ダブルストロークやフラムを使用したフレーズは随所に登場します。
シングルビート・コンビネーション(5〜7ページ)の魅力
なかでも最初の5〜7ページにあるシングルビート・コンビネーションは非常に汎用性が高く、初心者から上級者まで活用可能です。
今回はその中でも「最初の1ページ」にフォーカスし、効果的な練習法をご紹介します。
練習ポイント①:均一なストロークで叩く
練習は均一なリバウンドが得られやすい”練習パッド”がオススメです。
ただ叩くだけでは効果が得られ難いので、以下のポイントに注意して
- 音符を均一に叩けるように、全てフルストロークで行いましょう。
- スタートは高い位置から。打ったら同じ高さに戻るようにしましょう。
- リバウンドを活かし、スティックの動きを止めないように注意!
- 右利きの人は左手が小さくなりがちなので要注意!
練習ポイント②:1つのエクササイズにつき20回繰り返す
この本の原則では、1つのパターンにつき20回繰り返すのが基本とされています。
最初は数えるのが難しいかもしれませんが、それもまた良い練習になります。
5分タイマーを使って集中する方法もおすすめです。
音の揃い具合を意識して、左右差を感じさせない演奏を目指しましょう。
実践:1〜10番のエクササイズ
初めの1ページから現代でも多用されている、代表的なスティッキングが登場します。
- シングルストローク
- ダブルストローク
- パラディドル
- インワード・パラディドル
- リバース・パラディドル
- ディレイド・パラディドル
- スリーストローク


まずは一つずつ1番から10番までプレイしてみましょう!
均一で滑らかにプレイするのが中々難しいはずです。
応用練習①:切り替えトレーニング
様々なパターンがありますが、必ずシングルストロークに戻ってくる方法がオススメです。
例として「7番」を練習する場合は、「1番」と「7番」を交互にプレイしてみましょう。


他も同様に切り替えます。各パターンを2〜4回リピート後に切り替えるのがオススメです。
上から順番に「1 – 2」「1 – 3」「1 – 4」「1 – 5」などなど、シングルストロークを経由することで均一な音符の確認ができ、コントロール力が格段にアップします。
応用練習②:ストーンキラー的トレーニング法
シングルの代わりに右4回・左4回を間に挟む(もしくは8回ずつ)ことで、ストーンキラー的な効果が得られます。
例として「8番」を練習する場合は交互にプレイしてみましょう。


この方法は左右差をより明確に感じられます。
スタートする手(リードハンド)を変えても良いですし、「Both(同時打ち)」でやるとより難易度が上がります。
応用練習③:下半身を加えて4WAYトレーニング
バスドラムとハイハットのオスティナートを加えてドラムセットでも練習がしてみましょう。
- バスドラム:1拍目 & 3拍目
- ハイハット・クローズ:3拍目裏


このようにオスティナートを加えるだけでも、一気に応用力が高まります。
難しい場合は、バスドラムだけでもOK!
余裕があれば右手を他の楽器に移動してみましょう!
楽器によって手の位置やリバウンドが異なるので効果的な応用練習です。


応用練習④:サンバパターンに変化!
バスドラムをサンバキックに変更してみましょう。

更に右手をライドシンバルに移動させてオーケストレーション!

足のコントロール力も鍛えられ、4WAYインディペンデンスの練習にもなります。
まとめ:スティックコントロールの真価とは?
『スティックコントロール』で得られる効果は以下の点にあります。
- “様々なフレーズ”に対応できるようにする基礎づくり
- 思ったフレーズをすぐに叩けるようになるための“準備運動”
- 一つずつの動きを丁寧に確認することで得られる確かな”基礎力“
スティッキングだけでなく、オーケストレーションや下半身の組み合わせで工夫すれば、可能性は無限に広がります。
ぜひこの一冊を手に取って、自分なりの活用法を見つけてみてください!

